大人気ブランドのcomoli【コモリ】
その中でも特に人気が高く、毎シーズン何らかの変化を加えながら展開されているのがタイロッケンコート。
コモリ好きの方なら、今までどのような素材や色で展開されてきたんだろうと気になりますよね。
そこで今回は16ss~22ssまでのタイロッケンコートをまとめてみました!
この記事はこんな人におすすめ!
- コモリのアーカイブが見たい方。
- 過去のコモリのタイロッケンコートの購入を考えており、特徴を知りたい方。
ヨモギ(@22_fashionblog)のプロフィール
- ファッションブログ「F・F エイド」の管理人
- 24時間365日服について考えているファッション中毒者
- 好きなブランドはcomoli、などのリラックス、ワーク、ミリタリー系
comoli【コモリ】ってどんなブランド?
皆さんご存じだと思いますので、サラッとブランド解説。
2011年スタートの日本のブランドです。デザイナーは小森啓二郎さん。「全ての洋服の原型は欧米から生まれ、ある目的のために作られたものである」をコンセプトに日本の気候や日本人の体形に合ったプロダクトを制作しています。デザインはシンプルですが、素材やシルエットにこだわったブランドです。
comoliタイロッケンコートアーカイブ
アーカイブを見ていく前に…
トレンチコートの前身。1890年代、イギリスでミリタリー用のコートとして制作されたことが起源です。腰元のベルトをtie「結んで」lock「閉める」ことからタイロッケンコートと名付けられました。デザイナーの小森さん曰く、comoliのタイロッケンは逆に現在のトレンチコートから余分な要素をそぎ落していった結果生まれた形だそう。
コモリのタイロッケンはそうやって生まれたんですね。
それではタイロッケンコートのアーカイブを見ていきましょう!
16ss コットンタイプライター
16ssのタイロッケンコートはコットン100%のタイプライター生地。
シルエットなどはオーバーサイズでぱっと見最近のものと大きな違いはありません。
タイプライター生地は高密度の平織の綿織物のことを言います。
綿を高密度に織るので、ハリのあるなめらかな生地表面が特徴です。また、綿の特性と高密度に織ることで防寒性も確保されています。
程よい厚さとキレイめな質感、保温性と肌寒い春秋にピッタリの素材です。
よりキレイめに着れるタイロッケンコートって感じですね!
逆に高密度であるがゆえに、破れやすいという特徴もあります。(糸や生地にテンションがかかるためです。ピンと張った糸が切れやすいイメージ)
以上の特徴は一般的なもので、実際の16ssコートがすべてこの特徴に当てはまるわけではないと思いますが、古着で入手する際は注意したいポイントですね!
ネットで調べた感じ、色はベージュ、ネイビー、ブラック、ブラウンで展開されていました。
色展開多いな…
16aw 綿ポリエステル
16awの素材は表地は弱撥水加工の施された綿ポリエステル。裏地は保温性の高いウールにナッピング加工を施しています。
ナッピング加工とはわざと生地表面をひっかいて毛羽立たせたり、毛玉を作ったりする加工のことです。
その昔ハンティングジャケットなどで、森の中を歩くとき、ジャケットを小枝などに引っ掛けてできてしまう毛玉を目立たせないようにするために開発された加工法です。
毛羽立った着古したような風合いが出るので、コモリのようなリラックスした雰囲気の洋服にもよく合うでしょう。
オーバーサイズなシルエットは変わらずで、前年度までと比較し、着丈を少し長く調整しているとのこと。
素材の混率は表地:綿75%、ポリエステル25%、裏地ウール100%、袖裏キュプラ100%です。
袖裏がキュプラになっており、袖通りが良いのはうれしいポイントですね。
色展開はネイビーとブラックです。
17ss コットンギャバ、コットンナイロン、シルク
17ssシーズンでは3種類の素材でタイロッケンコートが展開されています。
コットンギャバジン、コットンナイロン、シルクです。
上の画像はコットンギャバのものです。
17ssではコットンギャバのタイロッケンだけ裏地がついています。
コットン素材は16ssでもタイプライター生地でベージュが展開されていましたが、17ssではさらにトレンチコートの色味に近いカーキで展開されています。デザイナーの小森さんはcomoliのギャバジンアイテムにおいて「いつか古着屋に並んでいるとうれしいし、そんなアイテムにしたい」と語っているそうです。
実際にcomoliのアイテムは数シーズン前のものでも変わらず着れますし、comoliの物作りの一端を表現している言葉だと思います。
実際コモリの古着はアイテムによっては今でも高値のものが多いです。
お財布には痛手ですねw
色展開はカーキ。
2つ目はコットンナイロン素材のものです。
コットンナイロンの生地にパラフィン加工(蝋で加工すること)を施し、撥水性を持たせています。
そのためこすったりするとチョークマーク(白いひっかき傷)ができます。
古着で買うとしたらこのチョークマークがついてしまっているものも多いかもしれないですね。
それを経年変化と捉えるか、劣化と捉えるか、人を選ぶコートかもしれないですねw
色展開はネイビーとベージュ。
3つ目はシルク。
comoliは結構シルクを使いますが、他のブランドではなかなかシルクのコートって見ないですよね。
それもそのはず、シルクってめっちゃデリケートな素材なんです。
そもそも衣服の中で最も外側に着るアウターに使う素材なんかではないんです。なめらかな肌触りを活かして肌に触れるシャツやパジャマに多く使われます。
17ssではそんなシルクに撥水加工を施すことで、汚れも付きにくくし、シルクのデリケートさをカバーしています。
シルクと言えば、なめらかな肌触りや上品な光沢感、生地のドレープ感が特徴です。
上のルックの画像を見ただけでもその質感が伝わってきますね。
シルクは大量生産できない希少性からアイテムの価格が高くなりがちです。タイロッケンコートも例にもれず、その他の素材が定価9万円前後なのに対し、シルク素材のものでは定価12万円ほどです。
色展開はネイビーです。
余談ですが、comoliのシルク素材と言えばシルクネップという、粗野な生地感のシルクを毛玉だたせた生地のアイテムも展開されています。
シルクと聞いてイメージする素材感とは全く違うものですが、逆にその粗野感がリラックスしたムードを引き立たせてくれていておすすめのファブリックの一つです。
17aw コットンギャバ、中綿入りウール
17awの素材展開はコットンギャバと中綿入りウール。
コットンギャバは取り外し式のライナーが着いたこと以外は17ssとさほど変わらないので割愛。
上記画像が中綿入りウールのものですが、中綿が入っているとは思えないくらい、ウールの落ち感が伝わってきます。
薄手のウールに高機能の中綿を入れているため、保温性を確保しつつもドレープ感を損なわないようになっています。
中綿入りのジャケットとかコートって結構パツパツで着ぶくれした印象になってしまうものも多いですから、デザイン面も担保しつつ機能面を確保しているまさに日常になじむアイテムだと思います。
そして17awから大きく変わったこととしてコートの重量が軽くなりました。
17aw以前までのウールアウターはヘビーなものが多かったのですが、重量を軽くし、着心地が向上しています。
ヘビーなコートはそれはそれでいいものですが、やっぱり着ていてちょっと疲れるときもあります。
サラッと羽織れる冬のアウターって結構需要あるんじゃないでしょうか。
色展開はネイビーとキャメル。
2022年現在でも人気のようでメルカリでも高値で取引されています。
比較的ネイビーのほうが相場高い感じかな?
18ss コットンギャバ、ウールサージ
18ssでも定番としてコットンギャバ素材が展開されています。
もう一つ18ssで展開された素材としてウールサージ素材のものがあります。
サージと生地とは、一般的にスーツや制服に使われる、つるっとしたなめらかな肌触りの生地です。
光沢感とシワになりにくさが特徴ですが、摩擦には弱いといった特徴があります。
18ssではこのサージ生地をウール50%、ナイロン50%の混率で展開しています。
ナイロンは強度の高さで知られるコーデュラナイロンを使用し、生地の耐久性を高めています。
デザイナー自身も過去最高傑作のタイロッケンと語っているだけに、その人気はすさまじく、メルカリでは過去17万円で取引されていました。
商品リンクはコットンギャバのもの
18aw コットンギャバ、ウールサージ
18awもコットンギャバは継続して展開されております。
また、ウールサージもssシーズンに引き続き展開されていますが、18ss、18awでは素材が変更されています。
18ssがウール50%ナイロン50%であったのに対し、18awではウール53%ポリエステル47%になっています。
2つを比較すると18ssのものは18awに対してやや生地が薄く、軽めに作られています。そのためドレープ感や落ち感が綺麗に出ます。軽やかにサラッと羽織りたいという方は18ssがおすすめです。
対して18awはやや硬め。しかし硬すぎることはなく、程よい光沢感やハリ感があり、ドレープ感もあります。冬に中にニットなどを着込んで重厚感を出したいときにはいいですね。
ただ、このウールサージシリーズ、超絶人気のため二次市場でもかなり高額で取引されています。
20~30万円ほどで値段で取引されていて、さすがにここまでは出せないな…って感じですw
色展開はネイビーとブラウンです。
19ss コットンギャバ
19ssもコットンギャバが展開されています。
襟やステッチングに細かな調整が入りましたが、大きな変更はありません。
19aw コットンギャバ
19awの展開もトラディショナルなカラーのコットンギャバジン素材。
ウールカシミアのライナー付きです。カシミア混のため、ライナーは薄手でも保温性が高いです。
こういうベーシックなアイテムが一つあるとコーデに安定感が出ていいですよね。
面倒くさいときはなんも考えずに羽織れます。
着込んで生地が変化していく様子も楽しみの一つになると思います。
20ss コットンギャバ
定番のコットンギャバのベージュです。特に変わりはなし。
20aw コットンギャバ
20awも定番のコットンギャバですが、同素材でコットンギャバダブルブレステッドコートが展開されています。
タイロッケンコートと比較して膝上丈で、Aラインが強調されたシルエットです。
また、生地に洗いをかけることで、粗野感が出て、よりカジュアルに着れるようになっています。
タイロッケンコートもキレイ目で惹かれますが、こういったリラックス、且つ粗野な風合いはcomoliの魅力の一つなので、ついついほしくなってしまいますね。
ウール70%カシミヤ30%のライナーもついているので冬でも安心です。
膝上くらいのコートだと着ていて動きに制限が出ないのもうれしいポイントです。
21ss ウォッシュドタイロッケンコート
素材は定番のコットンギャバジンですが、生地に洗いをかけているため、全体的にカジュアル感、リラックス感が増しています。
まるで古着屋に並んでいるヴィンテージのトレンチコートのような風合いで、気負わずに着ることができます。
comoliって抜け感やリラックス感、ほんの少しのやぼったさを持たせて着たいなっていう思いがあるので(個人的に)こういうアイテムはすごく惹かれますね。
21aw ウォッシュドタイロッケンコート
素材は21ssに続きウォッシュド加工されたコットンギャバですが、秋冬なのでカシミア混のライナー付きです。
取り外しできるので、こちらのほうが秋、冬、春と使えていいかもしれないですね。
22ss ウォッシュドタイロッケンコート ブラック
素材は引き続きウォッシュド加工のされたコットンギャバですが、22ssではそれにブラックが追加されました。
今までのタイロッケンコートのカラーリングにはネイビーは比較的多かったのですがブラックは少なく、その風合いの良さも相まってどこのショップでも即完売状態でした。
ブラックのシックな風合いと洗い加工によるパッカリングやふっくらした生地でベージュのものと比較するとよりシャープに着れるコートとなっています。
でも生地感の柔らかさがあり、リラックス感や抜け感もあるという、人気になるのもうなずけるアイテムです。
うん、普通に欲しい。
まとめ
いかがでしたでしょうか!
過去から振り返ってみると様々な素材やカラーリングで展開されていて、まとめていて楽しかったです!
めっちゃ大変でしたが!笑
タイロッケンコートはアーカイブのものでもかなり高値で取引されていますし、この記事がアーカイブを購入するときの参考になれば幸いです。
他にもcomoliの記事を書いていますのでこちらも是非お読みください。